偏差値ってどう見ればいいの?

偏差値の見方

一言で言えば偏差値とは、自分の学力の目安となる値です。言い換えれば、その集団の中でどれくらいの位置にいるかを表した数値となります。
たとえば受験生が1万人いるとき、偏差値が55だったとすると、おおよその順位は3,100位程度、偏差値が45であれば6,900位程度になります。

偏差値の求め方

偏差値はどのように求められるか簡単に説明します。偏差値を求めるためには、数値のばらつきを示す「標準偏差」を出すことになります。
標準偏差を求める式は次のようになります。

標準偏差値の求め方

平均点近くに全体が集中していれば標準偏差は小さくなり、ばらつきが大きければ標準偏差は大きくなります。
この標準偏差を求めることで、偏差値を導き出すことができます。

Aさんの偏差値の求め方

平均点を「50」とし、ばらつきの度合いが加味されています。自分の学力を見る際に平均点と自分の得点を比べることがあると思います。しかし、それだけではどれくらい平均点との差があるかはわかっても、集団における自分の位置はわかりません。
偏差値を見ることで、集団において自分がどのくらいの学力があるかということがわかりやすくなります。

偏差値を取る母集団は偏ることもある

偏差値は、学力の把握に役立つものですが、偏差値を取る母集団は必ずしも同じではないということを意識しておく必要があります。
たとえば、あらゆる学生が含まれるような広く取られた母集団と、医学部のような学力の特化しやすい母集団とでは、同じ偏差値だとしても、後者の方が優秀である場合があります。
当然、優秀な人だけで構成されている母集団であれば、偏差値は高くなりにくいという現象が起こります。つまり全国模試など、全ての受験生を広く対象とした模試では偏差値が高く出やすいですが、その偏差値は非常に曖昧なものといえます。
目標とする大学の偏差値と自分の偏差値を比べる場合、母集団について意識するとよいでしょう。
医学部を受験するのであれば、医学部志望の受験生が中心となる模試を受けることでより正確な合格の可能性を確認することができます。

得点は正規分布となっているか

また、得点の偏りにも注意しましょう。
試験の得点群が正規分布となっていなければ、そこから導き出された偏差値は意味を持たなくなることもあります。正規分布とは、左右対称で平均が中心となり山型になるグラフのことです。
もし得点分布がきれいな山型にならない場合、100を超えたり、あるいはマイナスが出たりと、極端な偏差値が算出されてしまいます。
入学試験や模擬試験では、正規分布の山型とはかけ離れた分布になってしまうこともあるため、その場合には偏差値を自分の学力の目安として使うことはできません。

偏差値が基準に達して合格率は50%になる

模試における合格判定のボーダーラインは、前年の受験者のうち合格率50%の偏差値帯が設定されています。つまり、大学偏差値65であれば、模試において65の偏差値を取ることで、前年の合格率が50%の集団と同程度の学力になったと考えられます。
あくまで目安のとして、大学偏差値よりも目標は高く持った方がよいでしょう。
偏差値は、単に統計データの整理法の一つに過ぎません。偏差値が1上がった1下がったからといって一喜一憂せず、有効に活用することで自分の学力をはかり、自己分析に活かしていきましょう。