試験を受ける時に緊張しない方法はあるの?

受験や模試では、「緊張で本来の力が発揮できなかったらどうしよう」と心配に思う人もいるかもしれません。 確かに過度な緊張は集中力を低下させる可能性があります。しかし実は、適度な緊張は人のパフォーマンスを高めることを知っていますか?
緊張は本来、機能を低下させるのではなく、活動を助ける身体の反応なのです。

緊張は神経伝達物質によって引き起こされる

緊張は血液中のノルアドレナリン値が上昇して起こります。ノルアドレナリンは覚醒や興奮に関わる、脳から分泌される神経伝達物質です。 分泌されたノルアドレナリンは自律神経を刺激し、心拍数や体温、血圧を上昇させます。
受験生の場合は受験に失敗することの恐れやプレッシャー、友人や親などの評価を気にする気持ちなどが主に緊張の引き金になると考えられます。

適度な緊張と過緊張の境目は?

普段の心拍数より30未満の上昇であれば、適度な緊張状態です。しかしそれ以上になると過緊張という、いわば緊張し過ぎの状態となります。
息が苦しくなったり、汗をかいたり、筋肉がこわばるようになったりと、心理的にも試験の内容が頭に入りにくくなります。 緊張することが予想される場面では、過緊張におちいらないようにする、あるいは過緊張から適度な状態に戻すための工夫を知っておくことが必要です。

事前の緊張対策

試験本番に過度な緊張をせず、普段通りの実力を発揮するためには事前の準備が重要です。
試験本番のシミュレーションを行っておく
事前に試験本番の状況を詳細にイメージして、どのような行動をとるのかについて考えておきます。
例えば、以下の3点について具体的な想定をしてみましょう。
  • ・各科目、各問題に対してどのような時間配分と順番で解答していくか
  • ・どの科目で何点取ることを目標とするか
  • ・予定通りに解答ができなかった場合にどうカバーしていくか
場慣れする
受験本番に近いシチュエーションに慣れておきます。試験会場を見学したり、志望校の過去問を解いて、問題傾向に慣れておいたりすることが有効です。
模試に積極的に挑戦して、いつもと違う会場や知らない人たちの中でも集中することができるように準備するとよいでしょう。
勉強した実績を明確にする
自分が努力してきたことを明確にしておくこともおすすめです。
「毎日〇時間も勉強した」、「問題集を〇〇冊やりこんだ」など、具体的な量を把握しておくことは、過度に緊張しそうになった時に落ち着くきっかけになります。
試験前には、実際に使用してきたテキストやノートなどを見返すことで、「これだけ勉強してきた」という実感を得ることができます。

試験当日の緊張対策

試験当日に行う対策も重要です。
    リラックスする
    実力を余すことなく発揮したいなら、リラックスしつつ適度な緊張感を維持しましょう。
    試験の合間に深呼吸やストレッチをしたり、音楽を聞いたりなど、自分が一番リラックスできる方法を知っておいてください。
    場慣れする
    受験本番に近いシチュエーションに慣れておきます。試験会場を見学したり、志望校の過去問を解いて、問題傾向に慣れておいたりすることが有効です。
    模試に積極的に挑戦して、いつもと違う会場や知らない人たちの中でも集中することができるように準備するとよいでしょう。
    周りを気にしない
    試験当日に同じ教室で受験する人は、当然初めて会う人たちばかりです。 他の受験生たちの会話を聞いて、自分より優れているという印象を抱くかもしれません。しかし試験の合否を決めるのは、試験の点数であるということを忘れてはいけません。 周りを見かけで判断して無駄に緊張をしてしまわないようにしましょう。