医学部の受験科目は一般学部と違うの?

医学部の受験ではどのような科目が課されるのでしょうか。国公立と私立に分けてご紹介します。

医学部の受験科目の特徴

多くの医学部の2次試験では、面接や小論文が課されており、他の学部に比べてこれらの試験過程が多いことが特徴として挙げられます。
医学部はどの大学も比較的倍率が高いので、センター・個別試験ともに非常に高い学力が要求されます。
特にセンター試験は過去の事例からしても、少なくても8割以上の点数を取る必要があります。

詳しくは「センター試験で失敗してしまったら医学部受験はあきらめた方がいい?」をご参考ください。

国公立大学の場合

国立大学医学部の場合、センター試験と個別試験が設けられています。AO・推薦入試を除けば、基本的にはセンター試験を受験する必要があります。

センター試験

センター試験科目は、5教科から合計7科目の受験を課す大学がほとんどです。内訳として、国語1科目、外国語から1科目、数学から2科目、理科から2科目、社会から1科目となっています。
2015年度センター試験から、新学習指導要領に対応した新しい科目が出題されるようになりました。特に理科の科目についてはこれまでとは受験科目が異なるため注意が必要です。
また、選択できる科目や配点は大学によって大きく異なりますので、事前にしっかり調べておいて対策することをおすすめいたします。ここでは各教科で選択することのできる科目をご紹介します。

外国語
「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」から選択します。
国語
「国語」は1科目しかありません。センター試験で「国語」を受験する場合は、大学と学部に関係なく同じ内容の試験を受けることになります。
数学
数学であれば「数学Ⅰ」、「数学Ⅰ・A」、「数学Ⅱ」、「数学Ⅱ・B」、「簿記・会計」、「情報関係基礎」から2科目を選ぶ場合がほとんどです。
理科
上でもご紹介したように、2015年度から理科の受験科目に変更がありました。
「物理」、「化学」、「生物」、「地学」と、語尾に「基礎」と付く「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」の合計8種類になりました。
国公立大学であれば発展科目である「物理」、「化学」、「生物」、「地学」から2科目を課す大学が多い傾向ですが、大学によって科目の取り扱いが異なるためそれぞれの大学の募集要項をしっかりと確認しておく必要あります。
社会
地理歴史に分類される「世界史A」、「世界史B」、「日本史A」、「日本史B」、「地理A」、「地理B」と、公民に分類される「現代社会」、「倫理」、「政治・経済」、「倫理,政治・経済」の合計10科目から1科目を選択して受験します。

国公立大学の個別試験

一般に2次試験とも呼ばれていますが、その内容は様々です。多くの大学が筆記試験と面接や小論文を課していますが、中には筆記試験がなく、面接や小論文だけを行う大学もあります。
筆記試験の科目は主に英語、数学、理科2科目であり、中には国語の受験を必要とする大学もあります。
筆記試験はその大学独自のものなので、内容も配点も大学に応じた傾向が現れます。過去問でその大学の傾向を知り、受験に向けた対策を進めるとよいでしょう。

私立大学の場合

国公立の大学とは異なり、基本的には個別試験だけ行われることが多くなりますが、センター試験の得点を利用する受験もあります。

センター試験利用受験

受験科目は、国語、外国語、2科目の数学、2科目の理科を必須とする大学が多く、それに加えて社会の受験が必要な大学もあります。

センター試験の科目についての詳細は、上記の国公立大学の場合をご覧ください。

センター試験利用受験の場合、個別試験は面接や小論文のみである場合が大多数です。 そのため、センター利用受験の場合、自然とセンター試験の点数の比重が大きくなり、すべての科目で高得点を取ることが望まれます。

私立大学の個別試験

ほぼすべての私立の医学部で、外国語、数学、理科が必須科目となっています。 外国語は英語のみの大学が多い傾向があり、数学はセンター試験とは違い、基本的には出題範囲ごとに別々に試験がされるわけではありません。 理科は「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の科目から2つを選び、面接や小論文もほとんどの大学が導入しています。 国公立の大学と同じように個別試験はその大学独自のものなので、内容も配点も大学により傾向が異なります。 志望校の傾向を把握し、早めに対策を立てて臨むのがよいでしょう。