医学部は留年が多いの?

医学部の授業のうち、医学そのものに関する授業は全て必修です。単位をひとつでも落としてしまうと留年となってしまう科目が多いため、留年の数も必然的に多くなっています。

どれくらいの学生が留年しているか

留年者の割合が大きい医学部ですが、どれくらいの学生が留年しているのでしょうか。

学年ごとの留年者数
2016年に行われた全国医学部長病院長会議でのアンケート調査結果によると、学年ごとの留年者数は、1年生が293名、2年生が490名、3年生が318名、4年生が290名、5年生が152名、6年生が326名でした。

1年生の留年率が平成20年度の定員増から高くなっており、1年生の留年が増加傾向にあると言えます。2年生の留年者数は、53校で490名で定員増からも留年率が高くなっており、3年生の留年率も上がってきています。1・2年生の留年率が高いですが、5年生の留年率も増加する傾向にあります。

また6年生の留年率は、国立大学よりも私立大学のほうが高くなっています。これは私立大学において、医師国家試験の合格が危ぶまれる6年生を留年させるという方策を取っていることがひとつの理由です。

国家試験の合格率は大学の人気に大きく影響するため、合格率を上げるためにこのようなことを行う大学もあります。

留年するとどうなるか

留年することで進級・卒業が1年遅れてしまい、授業を受けられない期間ができます。

もしも前期・後期どちらかの単位を落としたのであれば、前期を落とした場合は後期を、後期を落とした場合は翌年度の前期を休学することになります。この場合半期分の授業料は発生しません。

留年でできた時間を勉強に充てるのは当然ですが、中にはお金を貯めて外国語留学をする人や研究室に入って論文を書く人もいます。とはいえ、医学部の1年間は大変密度が濃いため留年してしまうと精神的、経済的なダメージは大きくなります。

留年により孤立してしまい、卒業までこぎつけられないということもあるため、なるべく留年しないよう学習の意欲と学力を高め続けていきましょう。