医学部の授業料は、国公立大学では他学部とほぼ同じですが、私立大学では他の学部に比べて格段に高くなっています。
国公立大の授業料
大学によって多少前後することはありますが、平成28年のデータによると、国立大学の入学金は約28万円、1年間の授業料は約54万円です。国立大学医学部の入学金や授業料も同じです。
公立大学については、年間の授業料は国立大学とほぼ変わりませんが、入学金に関しては地域の出身者とそれ以外で差をつけているのが一般的なため、平均すると国立大学よりは少しだけ高い授業料になります。
国公立大学では、学部によって授業料が大きく変わることはなく、医学部の授業料がとくに高いとはいえません。ところが、私立大学になると話が大きく変わってきます。
私立大学の授業料
私立大学の場合、授業料の他にも施設設備費がかかり、授業料と合計して学費として算出します。
平成28年のデータによると、私立大学文系学部の1年間の学費は平均約115万円、私立大学理系学部の学費は平均約152万円なのに対し、私立大学医学部の1年間の学費は平均約509万円と他の学部に比べて大きな差があります。
また、大学によって学費のバラつきが大きく、もっとも学費の低い私立大学医学部で国立大学の授業料の約5倍、もっとも学費の高い私立大学医学部だと国立大学の約14倍もの学費になっています。
学費以外にかかるお金
大学では、学費のほかにも合格後に寄付金や学債、教育振興募金といった寄付を募ることが一般的です。
私立大学医学部では、他の学部に比べてもそうした様々な協力を求めることが多いといえます。もちろん寄付なので、強請することはありません。
近年の傾向
かつて私立大学では、入学に際してどれくらいのお金が必要なのかが不透明でした。
しかし現在では、国の指導が入り、すべての大学で入学するときに必要な金額や、2年次以降に徴収する金額を案内するようになっています。
また、経済不況に伴って、6年間の学費や初年度納入金を数百万円単位で下げる大学も増えており、学費支払いのハードルは下がりつつあります。