医学は海外でも学べる?

知識や経験を積むために、海外の大学にある医学部に通うという選択肢もあります。留学先はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、中国などさまざまです。

医学部留学のメリット

海外へ留学することには、次のようなメリットがあります。

学びのレベルが上がる
大学によっては、あるいは世界的に活躍する教授のもとでは、国内で学ぶよりもさらにレベルの高い学習や研究をすることができます。
またグローバルに研究者同士のつながりを築くことができるのも大きなメリットです。
外国語に強くなる
留学することで、日本とはまったく違う環境で生活していくことになります。
医学知識はもちろんのこと、その国の言語や文化も身に付けることができます。
国際学会での発表や有名研究誌に発表される論文はそのほとんどに英語が用いられています。
英語圏への留学経験があれば、英語での発表や論文でも問題なく理解することができるでしょう。

医学部留学のデメリット

一方で、海外留学には次のようなデメリットもあります。

費用がかかる
国によって額は変わりますが、海外生活の費用はほとんど自費でまかなわなければいけません。
奨学金を借りることもできますが、貯金や家族からの支援もなければ厳しいでしょう。
ただし国によっては、国内の私立大学医学部に通うよりも安くなる場合があります。
留学後の受け皿が少ない
留学で得た学士資格では、日本の医師国家試験を受験することはできません。
海外の大学を卒業していても、予備試験として筆記試験や実技試験に合格し、1年以上の実習を積む必要が出てくるのです。
また海外で医師として働くとしても、その国の制度に合わせて免許を取得したり、試験に合格したりする必要があります。
ビザ等の問題もあり、海外で医師として活躍するのには大きな苦労が伴います。

留学の手段によってはリスクを抑えられる

研究を目的とした留学なら、日本の大学で大学院生や大学病院の医局員となってから、教授のつてを頼って留学する方法もあります。
また海外で臨床の経験を積みたいなら、医師免許を取得したあと、国境なき医師団のような民間団体やNGOに参加することもできます。
診療科ごとに応募条件は異なりますが、内科医であれば初期研修が終了してから2年以上日本での臨床経験を積めば応募可能です。
派遣期間は6週間から長くて1年ほどになります。
国によって教育システムも医療制度も異なるため、留学する際は諸事情を理解する必要があります。
また英語をはじめ、その国の言葉で学ぶことになるため、あらかじめ語学の勉強もしておきましょう。
医学留学に興味があるなら、あらゆるメリット、デメリットを知ったうえで行動に移すことが大切です。