医学部に入るには一般入試や推薦入試、AO入試などの他に、医学部に編入するという方法もあります。
医学部編入の方法
医学部に編入する場合、ほとんどは学士編入することになります。
- 学士編入とは
- 学士編入とは、四年制大学の卒業者や卒業見込みの学生が、それまで専攻していた学部・学科以外のことを学びたいと考えた際に、教養課程を飛ばして専門課程から学ぶことのできる制度です。
- 学士編入の成り立ち
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全国の医学部で最初に学士編入が取り入れられたのは1975年です。
当時日本の医学界にアメリカの教育システムを導入しようという声があがりました。
アメリカでは医学教育の制度が日本と異なり、医師を目指す人は4年制大学を卒業後、医師養成の専門学校であるメディカルスクールに入学し、さらに4年間の医学教育を受けます。
医師になる前に医学を含めてさまざまな学問を学び、人間的に成熟してから医師を目指すというのがアメリカの教育システムなのです。
このようなアメリカの方法を上手く取り入れたのが、日本の学士編入制度の起こりです。
大学選び
医学部に編入するためには、編入制度を設けている大学を選ぶ必要があります。
- 編入制度を設けている大学
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2015年現在、国立大学が28校、公立大学が1校、私立大学が5校、合わせて34校の大学が編入制度のための試験を実施しています。
私立大学の一部では単独に試験を実施せず、一般入試や推薦入試・AO入試内で実施するというところもあります。 - 編入後の開始年次
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日本の医学部で医学の専門分野の学習が本格的に始まるのはおおむね2年次です。
そのため、編入生を2年次から学ばせる大学がほとんどです。
高い競争率
編入試験の競争率は高く、一般入試などの試験よりも狭き門となっています。
- 狭き門となる編入試験
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編入試験を実施している大学の募集人員は、そのほとんどが5名から10名となっています。
競争率は10~20倍がほとんどで、大学によっては50倍を超えるところもあります。
そのため編入試験の厳しい倍率からあえて受験を避けて、再受験で医学部の一般入試にチャレンジする人もいます。
編入試験の内容
編入試験は大学によりますが、基本的には次のような内容になっています。
詳しくは各大学のホームページやパンフレットを確認してください。
- 試験内容
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まずは出願にあたり願書を提出しますが、その時点で審査を設けている大学もあり、大学側が設定した要件を満たさなくては願書を受け付けてもらえないこともあります。次に学科試験です。
内容は大学によってさまざまで、英語や数学、化学、物理、生物などの出題が多くなっています。学科試験をクリアすれば、次に小論文・面接試験に進むというのが一般的です。
小論文のテーマとしては、生命倫理や医療問題など、医療にかかわりの深い社会問題が取り上げられることが多くなっています。 - 試験の難易度
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学科試験の難易度は、高校と大学の教養課程レベルとなっています。
英語の試験ではそれ以上を求める大学も多いため、総合的に高い能力が求められているといえるでしょう。