医学部の授業では手術もするの?

医学部の授業では手術は行われません。手術を行うには医師免許が必要なため、資格のない医学部生では手術ができないのです。
ただし医療に必要な基礎知識や技術を身に着けるために、実際にメスを握ることになる人体解剖実習は行われています。

医学部の授業では人体解剖実習がある

医学部では6年間で医師になるためのカリキュラムが組まれ、その中の1つに人体解剖実習があります。
人体解剖実習は、教授の指導のもと人体の構造について、実際に手を動かしながら学ぶことになる授業です。 この実習では1体の献体に対して数名の学生が1つの班を作り、医師の第一歩として解剖学を学ぶことになります。

人体解剖実習は講義と実習を繰り返して行われる

人体解剖実習は、大学によっても異なりますが、基本的には講義と実習を繰り返し、医療を学んでいくことになります。
まずは講義を行い、実際に解剖を行う部分について詳しい構造の説明を受け、一連の動作や手法を学び実習に入るというのが基本です。人体解剖実習では、献体を使用して実際に人体にメスを入れることになります。
献体とは、死後に自身の遺体を医学の教育や研究に役立たせるため、各大学や団体に登録し、遺族の同意が得られた患者のご遺体のことです。

人体解剖実習が終了するまでの一連の流れ

人体解剖実習の流れとして、まず対象となる献体の血管や神経が、どのように走っているか観察することから始まります。そして順番に臓器を切り出していくことにより、詳細に人体の構造を理解していくことになるのです。すべての解剖が終わった後は、学生たち自身の手でご遺体を棺に納めます。
納棺を終えた後は、教授により故人の名前が読み上げられ、その際に医学部生は初めてご遺体の名前を知ることになるのです。最後は全員が起立し黙とうをささげ、人体解剖実習が終了します。

献体の協力があって成り立つ人体解剖実習

人体解剖実習を行うにあたって、献体は医療教育のために重要な存在です。献体となるご遺体は、腐敗を防ぐためにホルマリン処理がされ保存されることになります。そして実習が始まる前にアルコール処理をして、ご遺体からホルマリンを取り除くことによって人体解剖実習に用いられるようになるのです。
このように人体解剖実習は、献体となる患者の協力があってこそ成り立っています。
医学部生はそのことを念頭に置きながら、貴重な実習で多くの医療技術や知識を学ぶようにしましょう。